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KRAFTWERK vs YMO 2



Kraftwerk[R:R.Hutter]
Yellow Magic Orchestra[R:R.Sakamoto/Y:Y.Takahashi]
Rulf Hutter, Yukihiro Takahashi
RH, YT
順応音楽のきざし

全体的にぼくたちのやりたいものと同じなんですが、たとえば一番影響を受けたアートとかを知りたいんですが。ライヴの最後の方なんか、コンストラクティヴィズム(構成主義)っぽいものを感じましたよ。それに古いSFとか音楽以外の影響をいろいろと発見できる。
そう、いろいろなものに興味があります。わたしにしても、建築と工学の学位をもっています。要するに建築家のできそこないなんですよ(笑)。
 「人間解体」にはコンストラクティヴィズムのコンタクトがたくさんあります。当時、"ミュージカル・バウハウス"などと人から呼ばれたことがありました。というのも、その頃、科学と芸術のコンビネーションを創ったからです。
 わたしたちには様々な友人がいる。ひとりは数学者でわたしたちのためにコンピューター・プログラムを書き出してくれます。ほとんどが音楽以外の人との仕事ですね。なるべく自分たちは音楽を創っていることを忘れるようにしています。
 音楽自体は退屈なものです。いろいろなものを接触させる、ひとつの手段が音楽なんです。専門のミュージシャンって退屈な連中ばかりですよ。わたしの友人にはひとりもいません。
まさに、いろいろな影響を感じますが、子供のころの音楽的影響っていうと......?
わたしたちは、民族音楽やひとつの文化から生まれてきた音楽というものが昔から好きでした。純粋なアヴァンギャルドのエレクトロニクス・サウンドとかディスコとかが好きですね。ディスコ・ミュージックは文化的要素が多分に含まれたオートマチックな音楽です。戦後のドイツ音楽は民族音楽と呼べるものです。インダストリアル・フォーク・ミュージックですよ。
世界中の音楽が民族音楽だと思いますよ。
いまでもイギリス音楽はドイツで人気が高いんでしょう?
そうですね。ラジオのエアー・プレイやレコード・セールスの70〜75%はイギリスものが占めていると思いますよ。やっといまになって、クラフトワークや他のエレクトロニックスのバンドたちがドイツ語で歌うようになってきたんです。そのうち、イギリスの占めるパーセンテージも下がってくるでしょうね。
音楽のメディアはイギリスの強い影響を受けてるわけですね。

Kraftwerk
Kraftwerk
フランクフルトなどはアメリカ地帯といえるでしょうね。アメリカ軍のラジオ局(日本で言えばFEN)が1日中アメリカ音楽をかけていますよ。ミュンヘン、デュッセルドルフではイギリスのラジオが1日中イギリス音楽をかけている。戦後、ドイツ文化のすべてが破壊されてしまったこの国に、イギリスやアメリカが入ってきて文化面をのっとってしまったわけです。わたしたちの世代でようやく変化が起こりはじめているのです。
 イギリス音楽を批判しているんのじゃありません。ただあまり一方的なのはよくない、ということです。
ぼくたちのような音楽は、よく機械的で冷たいって批判されてきたけど、最近は逆に人気が集まってきてるんだよね。
どうしてもギターのようなものに慣らされてきてましたからね。新しい音楽は、どんどん古い音楽を追いだしてきています。
 電子音楽をやっていていつも思うんですけど、知力にどうしても集中してしまうんですよね。数字が頭の中をうめつくしてしまう。キーボードを弾くときは、決まって自己の分離を起こすんです。精神分裂というか、自分の中のひとりはキーボードを弾き、もうひとりはそれを観察している、とう具合です。
 わたしは電子が生みだすリズムに肉体的要素を盛り込んでいきたいんです。バレエを導入したいとも考えてます。
ステージ見て感じた、ダダとかフランシス・ピカビアとかコクトーの映画とか、ぼくが受けた印象がいまおっしゃったことでよくわかりましたよ。
そう、わたしたちのプレイには外的知覚というものがあるんです。特に日本のような違った文化を持つ国で、それはフルに発揮されます。日本へくる前、ポーランドでやったのですが、そこでの文化活動、エネルギーのレベルもまた違ったものでした。ワルシャワでは1万人の観客の前でプレイしましたが、すごい活気でしたね。日本は映画館でプレイしているような気分ですよ。
 つまり、わたしたちの音楽にはいろいろな面があるわけです。その環境によって、わたしたちも変化していきます。その国によって、わたしたちの違った面が現れてくるのです。
ぼくたちもイギリスでそれは感じました。
だからわたしは、いろいろな国へ行くのが好きなんです。
イエロー・マジック・オーケストラはまもなくニュー・アルバムのレコーディングに入るけど、できあがったらすぐに送ります、ぜひ聴いてください。
ありがとう。あなたたちのレコードはよく聴きますよ。ぜひドイツにいらしてください。
この後、YMOのファンクラブ会報「Me & Her No.7」にYMOとKRAFTWERKの共同製作でのレコーディングが発表されたが、「やはり」というか(^^;; 実現していない。
古い音楽さようなら−日独音楽感性懇談会
「MUSIC LIFE」1981年11月号掲載
1981年9月9日 於:新宿京王プラザホテル


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