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NEW MUSIK LINER NOTES by YT


New Musik & YT
New Musik & Y.Takahashi
on 16/Oct/'80
LINER NOTES for 1st album "From A To B"('80)
冷蔵庫にしまってあった旬のものをポンと出してきてね、フリーズされているそのままを見て楽しんでいるという様なそういうクールさが僕にはおもしろいんです。解凍もせずにおいて眺めるか、それともおいしく料理でもしましょうか......。
その意味でこれは、"フローズン・ミュージック"だと思うんです。
 初めて「ニュー・ミュージック」を聞いたのは79年の11月にイギリスに行った時でした。友人に当時のおもしろいシングル曲をテープに入れてもらったんです。ビートとかセレクターとかが全盛の頃でロール・アップやマイケル・オブライエンにまじってニュー・ミュージックの「リビング・バイ・ナンバーズ」が入っていましてね。すごく気持ちが良かったんで非常に興味を持ったことを記憶しています。でもレコードは手に入らないまま過ぎて7月にベルリンに行き、ようやく手に入れたわけです。

 一緒に行った連中やハンザ・スタジオの若いミキサーなんかとお酒を飲みながら話している時にどこかで聞いたことある音がラジオでかかりまして、「ストレイト・ラインズ」だったかな?そのミキサーが「これ、ニュー・ミュージックっていうんだよ」って言うから「知ってる、知ってる」ってね。話をやめてラジオに聞き入りながら、これはつくづく僕の好きなタイプの音だと思ったのです。細野氏、大村憲司氏そして加藤(和彦)氏とか、みんな気に入ってね、次の日早速買ったんです。
 何故魅かれるのか、その時は余り自分でも気がつかなかったけど、リーナ・ラヴィッチとかニナ・ハーゲンだとかどんどんかかっている中で妙に新鮮な感じがしたことだけは確かですね。東京に持ち帰ってじっくり聞いて、本当におもしろい!ってね思いました。

 僕はこのバンド、非常に新しいものを持っていると思うんです。
何が新しいかというと、まず当たり前の音、神経質そうでいて大してヘヴィーでない歌詞、ポップス、そういうものが全部若干屈折して出てきているというところね。もともと僕自身がひねくれているせいもあるだろうけど、ただ「若干」というところが大きなポイントでして、ストレートにこれを本気でやってしまってはいけないというか、どっぷりつかったら完全に屈折してしまっておもしろくも何ともない。そこらへんの微妙なこじれ方を充分注意して聞いて欲しいですね。
 音は耳に心地良いし、ちょっと突っ込んで聞きたい人にも結構それ相応の楽しみ方ができるし、歌詞もね、大村憲司氏の訳によるとかなりのひねくれで、それでいて楽しい部分はたくさんあるのですよ。でも、ストレートに分析したら、退屈してしまいます。楽しまなければ。フレージングは単調、初めてシンセサイザーを触ってみましたっていう人にもひけるようなメロディ、彼らを聞いたことがない人でもこうつくってしまうだろうというアレンジ。ただね、この「当たり前」という点、ここがすごく新しい感性だと僕は思っています。違う言葉で言えば共感するわけです。

 何が共感するかと言いますとね、僕と考えることが全く同じだっていう気がするのね。感性とか、アイデアとか、現実的な手法とか、ね。さりげなく当たり前のことを奇をてらわずに実に皮肉っぽくやっていて、それが仲々おいしいというね。何か奥深いものがありそうで、実は無くて、でもトータルとしてはやっぱり屈折しているという...。


To be continued.....


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