
MIKADO INTERVIEW by NAOKI INOSE
![]() G.Czerkinsky |
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デュオ「MIKADO」との対話
−ミカドという名前をつけた動機はなんだったのでしょう。 |
![]() P.Borel |
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Gそういうことを訊いてもらえることがいちばん嬉しい。音楽雑誌のインタヴューをいくつか受けましたが、ああいうありきたりの質問にはじつはうんざりしていたところです。 わたしたちはフランスでは「クライシス・チャイルド(危機の子供たち)」と呼ばれる世代です。貧しくて生活に困るわけでもなく、社会とか国家に重大な不満を抱いているわけでもない。わたしたちにはふたつの選択が可能でした。ひとつはまっとうな仕事を見つけること。別の選択は、そうした仕事につかずに、お金のない困難な生活スタイルを甘受することです。音楽、映画、詩や小説、そういうクリエイティヴな世界に首を突っ込んだ暮らしです。わたしたちの選択は後者でした。 そういうことを考えていたのも、ミカドというネーミングに関係あるかもしれません。日本のミカドは政治的権力を持っていませんね。禅でいうところの無のようなものではないでしょうか。思うに、わたしにとって「ミカド」というのは、芸術などいろいろな創造が行われる前の無の状態のシンボルなのです。 東京は世界一の大都会で、無数の人間がひしめきあってあくせく働き、同じく無数の車がせわしげにクルクル走り回っています。ところがその真ん中に、濠と森に囲まれたなにもない場所があるんですね。そのなかは空虚そのものです。おそらく日本人にとって、この空虚な中心があるかぎり、生活は緑につつまれ、清水に恵まれ、静寂が訪れ、そして究極において無に帰することが可能なのでしょう。 −とても、的確な分析だと感心して聞いていました。日本人は世界中から非難されるほど働きつづけますが、それは、あなたの指摘する空虚な中心があるせいなのだろうと思うのです。しかし、その空虚な中心と、同じ比重でそれに対応したものがきっと心のなかにあるのです。 Gえっ? どこにあるとおっしゃいましゃいましたか。 −日本人の心の中に、東京のど真ん中にあるのと同じ空虚があるのですよ。 Gうーむ。 −このルポルタージュ(「ミカドの肖像」)の旅は、そこを起点としていくのです。 Gなるほど、わたしたちがそんなふうに日本の新しいミカドの物語の最初のシーンに登場できるなんて、なんと光栄なことか。運命が「MIKADO」を帝(ミカド)に結びつけてくれたんですね。 −そう。あなたがたがミカドという名前とその意味を、現代のフランスで考えることに至るまでには長い前史があったのです。お二人が原宿にたどりつくまでの間にね。そして、ピテカントロプスエレクトスから数百メートルのところに、ミカドが出発するときの専用のステーションがあるんですよ。 Gミカド専用のステーションがあるなんてそんなこと、まったく知らなかった。 |
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