| 〜Banana Splitの巻 その3〜 「アイス・ブレイキング」は、「初対面の相手と会話の口火を切り、よそよそしさを解消する」という意味。フランス語ではこれを briser la glace (直訳:氷を砕く) と言います。 glace には、日本で言う「アイス」同様、「アイスクリーム」の意味もありますから、この場合は「アイスクリームの塊を崩す」との掛け詞にもなっている訳です。 「南極」は、「年上男の冷たい心」の暗喩。要するに2番のAメロは、「あなたのハートはまるで南極。私のキッスで溶かしてあげる」っていうニュアンスなのです。ちなみに Et pour faire le fondre (そしてそれを溶かすため) の、 le (それを) は男性代名詞ですから、女性名詞 tactique (策略) を指すことは絶対にありません。 「アイシング(givres)」は、お料理用語で「お菓子の表面に白い粉砂糖を降りかける」事。もちろんここでは、甘く熱いキスが、粉砂糖の代用品になるわけです。「シャンティー(Chantilly)」は、パリの北方に位置する雪山(=「白い山々」)地帯の名称。2番で「南極」に喩えられた「年上男の冷たい心」は、3番では「シャンティーの雪山」にされ、「雨霰とキスを降らせ、あなたの雪山雪崩にしちゃう!」って言われてるのですね。さらにフランス語で「シャンティーのクリーム(creme chantilly)」と言ったら、「ホイップクリーム」を指しますから、この言葉は「デザート」の縁語でもあります。 サビの L'abominable homme de neiges は、直訳「嫌味な雪の男」。「雪の男」は、「鉄の意志」と同じく「○○の性質を持った××」式の表現で、「雪のように『冷たい』男」の事。断じて「雪男」ではありません。なお、このフレーズでは同じ形容詞 abominable (嫌味な) を、「大人の男(homme)」と「子供(enfant)」の両方に使うことで、「どっちもどっち」って事を表現してるんですけど、これは残念ながら、うまい日本語が見つかりませんでした。
by don-chan |